虚飾は無駄だしつまらない
お正月にかこつけて、普段よりもおおっぴらに怠ける時間が出来るので、立て続けに映画鑑賞している。
ハイクで繋がっている皆さんの文化的生活を見習うべく、そして受けた刺激の多くを自分でも実現しようという気持ちからだ。
昨年の夏、雷が落ちてテレビやアンテナやら諸々がダメになった。配信に入っていたが、どうせ家にいる時間が長いから もう少し拡大した配信に加入した。そのおかげで映画館に行かずともたくさんの映画を見ることが出来る。Twitterやブログで話題になっているものも見たし、なにしろ語学の勉強にもなるので積極的に見るようにしている。
そして一番嬉しいことは、大きな映画館のロードショー的映画よりも、昔よく探して行っていた小さい名画座で上映される映画の本数が抜群に多いことだ。
オスカーもすごいとは思うが、カンヌ映画祭の方に私自身は魅力を感じる。
お正月三ヶ日は北欧映画祭りを自分で開催して見ていた。ノルウェー、アイスランド、デンマークと近隣諸国の映画は比較的よく入って来る。
ノルウェー映画では、現代社会においてどこの国でも悩んでいる人の多いセックスレスの問題をとりあげていた。
アイスランド映画では、厳しい自然の中で羊農家の人達が暮らしている様子や、羊に病気が発生し村中の羊を殺生処分しなければならなくなった苦悩。
デンマーク映画ではグリーンランド領にデンマークが侵攻し、どんどんデンマーク化をはかろうとする話。
スウェーデンの映画も1本はノルウェー映画同様の夫婦の苦悩。もう1本はスウェーデンらしからぬ、可愛らしいのんびりとしたラブコメディ。レストランが舞台だったので見るのに力が入った。調理場の緊張感溢れるところが良い。
どの映画も結局食事や台所のシーンが1番興味深かった。
どの映画も良いなと思ったのは、等身大の人間模様や感情を取り上げているところだ。何処にでも同じような事はあるんじゃないかと思えるし、いろいろな人間の感情が飾らず描かれていることにどの映画も好感が持てた。
民族を侵攻する話は包み隠さず過去をさらけ出していた。スウェーデンもかつてサーメ族にスウェーデン語を強要したり、属国のように扱っていた歴史もある。
日本でも歴史教育が度々議論されるが、包み隠さずにありのままを知ることが大切だと思う。
飾っても誤魔化しても、いつかメッキは剥げ落ちる。ありのままの自然な姿が1番だと強く思った次第である。