デンマークへの旅行。毎年恒例でチケットが安くなる時を目掛けて、数ヶ月に一回は行っていた。コロナの為、昨年は夫の誕生日祝いに1度行ったきりとなった。
なぜデンマークが好きなのか。
人が大らかだからだ。スウェーデン人は法に沿って正確に法通りに進む。デンマーク人は法はあってもその時々臨機応変に対応する、という私個人が感じた相違。ええ格好しいのスウェーデン人とこだわりのない自然体のデンマーク人だろうか。ええ格好しいが苦手な夫と私は、自然体の方が伸び伸びするのでデンマークが心地いいのだと思う。まあ、ええやん、が通じる感じ。
そんなデンマーク映画がフィルムフェスティバルで公開された。私の憧れであり、アイドルであるマッツ・ミケルセン主演の映画だ。
タイトルは『Druk』、2020年製作。
日本でも公開されると信じて、ネタバレしないように気をつけながらあらすじに触れると、
4人の40代の高校教師達 、学校では生徒がやる気なく自分もやる気なく惰性で授業。家庭では子育て真っ最中であり、奥さんとまともに会話する時間もない。まさに生活に追われている。
そんな時、体内に0.05%のアルコールを入れれば、丁度良いハイの状態になっていい感じで人とも接することができる、陽気に雄弁になれる、との情報に4人はすっかり取り憑かれ、試すようになる。
そして色々な出来事が起こってくる、というのが簡単な筋だ。
スウェーデンでの評判は、
「デンマークの一つのアルコール文化だ」などと書かれていた。
デンマークはアルコールに寛大だ。以前も記したように、スーパーで簡単にいつでもアルコールは買える。酒売り場には試飲ワインが小さいプラスチックのコップと共に置かれていて、未成年じゃなければ誰でも試飲出来る。酒のセールもある。
だからスウェーデン人は羨ましくてしょうがない。私達は月曜から土曜の午後3時までしか開かない特別な酒屋に行かねばならず、スウェーデン全国いつでもどこでも価格は一切変わらない。セールなんてとんでもない。アルコール税は高いのだ。だからアルコールに関してははお行儀が良いように見せているけど、普段不満が溜まっている分、クリスマス、夏至祭などのハイシーズンは随分とお酒の過ぎる方々も多い。
夫とどちらがシステム的にいいのだろうかと議論したことがあるが、簡単に買えず値段が高いことは一定の抑止力になるが、酒屋に行くということがひと仕事になり、来るのが面倒だからちょっと多めに、と買って短期間で飲んでしまったりすると健康に悪い、などで落ち着いた。私はいつでも買える方がストレスなくいいだろうと思う。余談だが、ノルウェーはもう全く同じワインがスウェーデンの三倍くらいの値段で、それも同様特別な酒屋でしか買えない。国境にはノルウェー人目当てでスウェーデンの酒屋がせっかく大きな店舗に改装したのに、コロナで国境閉鎖となり誰もお客さんがいないような状態もある様だ。
映画の話からすっかりアルコールの話になってしまったが、最後映画に戻るとマッツ・ミケルセンは素晴らしい俳優だと再認識した。あんなにカッコいい、シュッとした男前が、本当に冴えない情けない中年男性を演じることが出来るなんて、上手だなぁとただただ感心。
デンマークの俳優さん達も、デンマーク映画やドラマを日々見ている成果が出て 、お馴染みさんを発見すると嬉しい気持ちになった。
マッツ・ミケルセンの華麗なダンスシーンは必見。手足が長い、スタイルがいい。
とにかく惚れ惚れするほどかっこいい。
4人のおじ様方、
このスーパーでお買い物されていた。
なんだか嬉しい。