陶器のふるさとへ晩秋の小旅行 2019年11月6日
これからどんどん日が短くなって寒くなる。プラス雪が降って積もれば、すっかり凍りついた世界がやってくる。
冬への準備のタイヤ交換が終わって、今のうちにちょっと遠出しようと思い切って出掛けて来た。
何度か来たことはあるけど、もう一度改めて見てみようとRörstrand (ロールストランド)博物館に行って来た。
1726 年にドイツから来た陶芸師 ヨーハン・ウォルフによってストックホルムの地でロールストランドの起源となる陶器の生産が始まった。ドイツのMeissen (マイセン)社に次いでヨーロッパで2番目に古い。当時は中国の陶磁器の影響を受け、白地にブルーの絵付けが主流だったらしい。
1800 年代には食器の一式セットが一般的になり生産も伸び、英国の影響を受けたデザインとなっていった。そして1850 年代にはボーンチャイナの時代を迎え高級食器が製造されるようになる。
スウェーデンも含めてヨーロッパの陶器産業はこの時代に発展して拡大した。そして淘汰されながら合併して規模を大きくしていった。
1920 年代には安い陶器が輸入されるようになり、それらが売り上げを伸ばしたために、国内の陶器産業は危機感を感じ始めた。ロールストランドはストックホルムの工場を閉め、ヨーテボリ陶器会社と合併して西海岸のヨーテボリに移って来た。そしてその後ヨーテボリ陶器会社とリッドショーピン陶器会社も合併して今の博物館のあるLidköping (リッドショーピン)に落ち着いた。
残念ながら現在はここで生産されていない。2006年ですっかり製造は終了し、人件費削減のためにインドネシアやタイに工場を移した。下のボウルは工場終了最終時に焼かれたもの。
今はイッタラアウトレットに変わり、ロールストランドを始めアラビア、イッタラ、フィスカスの調理器具などを販売している
博物館の中で1番気にいっているところは、全部のデザインを網羅することは大変なことなので、ちょっとだけいくつかのデザインのお皿を展示して見せるコーナー。
自分の持っているものを発見したり、これからどれを集めようかなと物色するのも楽しい。
御手洗の男性用、女性用の表示が可愛い。
こういう時代のテーブルセッティング。ちょっとおしゃれして特別感があるので好き。
使われていた釜と、お皿の模様をプリントするためのスタンプ。
私自身ロールストランドの食器を使うのが大好きなので、使っている食器がどの時代から来たのか誰のデザインなのか知る事によってその時代に思いを馳せる。
食器を知れば料理も知りたい。
人から見れば奇妙な趣味だと思うが、とにかくより知りたいと思っている。まとまって勉強してみたいと思ったり。
秋の終わりに良い小旅行が出来た。またこれを刺激にして知的欲を満たして行こう。
全然観光案内にならない情報でごめんなさい。