Mitt lilla kök

北の果て,極少の台所から

私は次の階段を登りたい

いよいよ私にもやって来た。ワクチン接種予約のお知らせが。

ワクチン接種が始まって、早く順番が来ないかなと思っていたけど、いやいや私達の年代はもうちょっと先になるだろう、と待ってるような怖い様な複雑な気持ちだった。

ところが思いの外早いスピードで接種が進んで、とうとうやって来た。しかしどこの国も同じで、予約サイトは一杯で予約日時設定画面にはなかなか行けず、

「ごめんなさいね。予約が一杯であなたの場所はありません。」

悲しいような、ほっとするような(怖いので)。

 

ところがその時は急にやって来た。試しにサイトを見たら、とんとん拍子で

「今から来て下さい。キャンセルが出ました」。

 

何ということだ。全然心の準備も出来てないし、でもこれを逃すといつになるかわからない。どうせしなきゃいけないものだったら早く済ませて落ち着こう、と着の身着のままで会場に向かう。

 

日頃は閑散としてる公民館の入り口に長い行列。ワクチン接種待ちで、私も慌てて並ぶ。

前に女性がいたので、行列の最後尾を確認して、ちょっと話した。他人と話すのは何ヶ月ぶりだろうか。こんなにちょっと会話するのが楽しいなんて!

「ワクチン接種が終われば少しは良くなると信じて頑張りましょう」

と話した。

 

誘導されて会場へ。受付で

「注射の映像が非常に怖いし、私注射嫌いでナーバスになっている」と身分確認しながら話すと、

「大丈夫よ。ワクチン接種に来てくれて本当にありがとう。感謝します。」と言われた。

キャンセルによるワクチン廃棄はできるだけ避けたいようだった。

 

会場は小さく仕切りがしてあり、看護師さんと助手の人2人がそれぞれに配置されていた。ブースは5つくらい。

ワクチン会社を知らされる。私はファイザーかと思っていたのにモデルナだった

日本の情報には、利き手じゃない腕に、と書いてある。でもこちらは皆右腕だ。私は痛くなっても作業しやすいように、左腕を希望するつもりだったが、さっさと右腕側に座らされる。

「用事をするから左で」と言うと、

看護師「予防注射は右です」

私「いやいや、日本では利き手じゃない方で」

看護師「ここはスウェーデンです!」

と、ニコニコしながら押し問答。結局看護師さんに軍配。

「痛いの嫌いなんです」言ってもしょうがないけど一応言ってみる。

「楽しいこと考えて!! 夏は何するの?」

「庭で花の世話、特にゼラニウムを」と

看護師さんのゼラニウム話を聞いて、喋ってたら終わっていた。

 

接種時、針が入る時チクリとするのとワクチン液がじわっと直径5センチくらい広がる感じはあったけど、痛くはなかった。

もっと看護師さんと話したいくらいだった。

 

その後別室で15分くらい座って異常がなければ帰宅。数週間経ったらメールが来て、第2回目の日時を予約するらしい。

 

なんだか呆気なかったが、終わってみるとあと一回残っているものの、一つ階段を登れた!という明るい気分になった。

 

晩ご飯の時、夫がさっさとビールを飲んでいるので、

「もし夜中に気分が悪くなったら病院に行かなきゃいけないのに」

と文句を言うと。

「救急車呼べばいいから」

とニコニコ機嫌が良かった。

 

一夜明けて、少しだけ接種箇所に違和感がある気がする程度。今のところは大丈夫だ。

 

このワクチン接種が開始された頃、問題になったのは移民の接種率が非常に悪いということだった。特に移民の中にはそれぞれの部族があって国の法律や決まりよりも部族の首長の決定に皆が従うらしいとのことだった。首長がワクチン接種を希望しない決定をすれば、その部族はそれに従うのだろう。

 

それも理解が進んできたのか最近は移民接種率も上がってきて、本当に良かったと思っている。

 

とにかく出来る事を始めなければ、物事は進まない。今の閉塞感をなんとかして安全に少しでも近づきたい。

すっかり元通りになるのは難しいかもしれないし、また新しいウィルスが流行るかも知れないが とにかく次の段階に進みたい。

 

現在、国民の53.6%が第一回接種を終え、27.3%が第二回目接種を終えている。


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私はこの会社のワクチンを接種してます、という証明カードを貰った。