Mitt lilla kök

北の果て,極少の台所から

女やら男やら。。。思うことなど

「北欧は男女平等が非常に進んでいます」

「国会議員、党首など女性の占める割合が非常に高いです」

「女性に優しい社会」

メディアでよく見る言葉だ。

北欧(ここではスウェーデンのことを指す)の女性の労働環境は素晴らしい。子供が出来れば、ママ休暇。100%分の給料支給ではないが有給でママ休暇が1年間とれる。これは事実婚や法律婚に関わらない。サンボと呼ばれる同棲婚(事実婚)は世間的に認知されているし、育児も地域には託児所、小学校には放課後の児童預かりなど公的システムが用意されている。児童手当ても充実、子供の医療費、歯科の費用 、教育費も全て無料。

例えば、子供が病気になった時、早退する子供を学校に引き取りに行ったり、子供の病気による自宅待機による休暇も父親、母親関係なしに遠慮なくとることが出来る。

親の介護も基本的にない。親は親。子は子。

高齢者にとって複雑なインターネットバンクの手続き業務や週に一回の大きな日用品の買い物、ちょっとした掃除の手伝いは子供たちや家族がするものの、後は基本公的サービス任せだ。

 

こんな風な北欧の女性のための環境は羨ましく見えた。

育児や介護に囚われることなく「活き活きと働ける」。そして結婚についても「自由」な形を選択できる。

若者が家庭の経済的な事情で進学を諦める必要もない。教育は教科書代を除いて無料だ。公共交通機関も大きく割り引きされる。親の負担はほとんどない。

男女が共に住むにしても、両者の同意のみで至って簡単だ。親には事後報告の方が多いのではなかろうか。

それに反して日本では夫婦同姓あるいは別姓をとるのか、まず考えなければならない。何か人生の節目において悩んだり決断したりする時、自分達の気持ち以上に制度の中でまずがんじがらめにされている気がするのだ。

ここでは女性だからと諦めるものが何もないパラダイスの様だと私には思えた。

男女平等を進めた結果のモデルケースがこうならば、本当に素晴らしいではないか。

 

しかしこの国で暮しているうちに、おやおや?と思うことが出てきたのだ。

パラダイスの住人である女性達は本当に幸せなのかなと思うようになった。

70年代の「ブラジャーを脱ぎ捨てよう!!」のスローガンのもと起こった女性運動。そこからどんどん女性の地位向上が始まった。

日本でもラーメンのコマーシャルで「あなた作る人、僕食べる人」が当時物議をかもし出したようだが、ここでも1930 年代から続く『主婦のための台所帳(原題: Husmoderns köksalmanack)』のタイトルが1979 年版以降、「主婦の」の部分を削除し刊行するようになった。女性、それも主婦のみに特定する事は女性差別に当たるからだろう。

そしていろいろなことが変わってその結果、世の中が女性中心に進んで行く。悪い原因は全て男性にある、という風潮が加速する。社会は女性の味方になった。

移住した当時、環境の変化から来るストレスと、冬の日照時間の余りの少なさにより私は鬱になった。カウンセリングを受けたら良いと医者から勧められた。

カウンセラーが私にした最初の質問は「パートナーに満足していますか」だった。びっくりした。具合が悪いのは私なのに。夫は穏やかで楽しい優しい人である。

その後いろいろ質問が続き、そしてそれは彼女がどうしても夫を悪者にしたいんだな、と感じることが多いものだった。私の鬱の原因は夫の暴力かとりあえず何か夫に落ち度があるようにしたいようだ。

結局 「あなたの人生。あなただけのことを考えて。離婚するのも一つ。健康になれるからよく考えてね。」と言われ帰ってきた。もう二度とカウンセリングに行こうとは思わなかった。私にしたら的外れも極まりない回答だ。

どうして太陽の少なさで気持ちが落ちていることと離婚が結び着くのかわからない。

帰って夫に話すと笑われた。ここではそういうものだということだ。

女性に何かあった時、常に悪くなるのは男性なんだと、よくわかった。女性は社会全体から「守られている」のだ。女性のための相談所、女性のためのシェルター(家庭内暴力からの)等々。

ここでは男性の影がともすれば薄くなってしまいがちだが、男性は寡黙に良く働く。家族のためにパパ達は頑張っている。それは日本の男性とも変わりない。北欧の男性と日本の男性は似ていると思う。外国人は表現力が豊かで、ジェスチャーも大きく、朗らか。多分これはラテン系の外国人のイメージだ。ここの男性達はシャイだし、物静かな人が多い。しかしかわいそうだなと思うことは、日本のようにほっと出来る遊びがないことだ。会社帰りに同僚と居酒屋に寄って一杯引っ掛けながら上司や嫁さんの愚痴を言ったり、カラオケで発散なんてできないし、場所も時間もない。

仕事が終われば、直で学校に子供を引き取りに行く。そして食事をつくって食べさせる。いろいろな働き方があるため、夫婦が夕食に揃う時も揃わない時もある。ママ抜きでパパが食事などの世話をする日もある。

休みになったら家の改修やら庭の手入れ、車の補修など休むひまもない。子供の習い事の送り迎えなど本当に忙しい。

ここでおやおや?と思った一つのことは、男女平等なら庭仕事も家の改修、車の補修でも女性も一緒にやるよね、と思いきやそれは「男の」仕事なので 女性はほぼノータッチ。

実際にキャンプに行った時面白かったのは、 周りを見ていると、キャンプ場に着いて旦那さんたちの最初の仕事は、奥さんのために椅子を設置すること。奥さんたちはそれに座って雑誌を読みながら待つ。もうひとつうわ手の奥さんたちはワイングラス片手に待っている。旦那さんたちはキャンピングカーの設営から、バーベキューの支度まで全部一人でするのだ。これも「男の」仕事らしい。

男女平等とは男性に全てを押し付けることなのか?なぜ一緒にやらないの?とまず思った。一緒に旅行に来て楽しむんだったら 、一緒に準備した方が時間も負担も軽減するのに。それでもそれは「男の」仕事らしい。

私達は日々の生活の中でやるべきことに追われていくのだが、私はこれが人生ではなかろうかと思うのだ。生活に追われていると言うと苦しい感じがするけど、食事が美味しく食べられれば満足するし、子供が育てば励みになるだろうし、家や庭が綺麗になっていくのは楽しい。年月が経てばパートナー同士も恋人の時のような時間はなくなっていくし、それぞれがおかあちゃん、おとうちゃんになって行くのは自然な流れではないのか。そしてドキドキは消えても理解してくれる人がいるという安心感と家族としての歴史は残っていく。

ところがこれを面白くないとこちらの女性の多くは考える。本当に真面目に考える。いつまでも男性から耳元で愛を囁いてもらって、薔薇の花束のあるロマンチックな生活を望んでいる。(嘘の様だが実際にいろいろな人に聞いてみたらそうだった)。そして赤が女の子、青は男の子と色分けするのはいかがなものか、という議論が日本であったように記憶しているが、女性運動が活発なこの国の女性はピンクが本当に大好きだ。

話がそれたが、女性解放や地位の向上のもともと目指したところは、どこだったのか。彼女たちは何をしたかったのだろうと思う。

男性にいろいろ要求し、働かせることが女性の地位向上なのかと思ったし、「男女平等」だったら要求だけじゃなくて、自分もそれだけ返してるのかと突っ込みたくなった。

どうしてここまで要求できるのだろうか。

私が思うに、頑張らなくても何でも手に入るからだ。障害物が非常に少ないからとも言えるだろう。無理することがないから、もっともっとと要求が果てしない。我慢しなくていいからちょっとしたことでも不満を感じてしまう。

日本の女性は長い長い間、男尊女卑の思想の下で生活を強いられてきた。時代物のドラマでも女性が別部屋で食事をしていたり、女性の教育の機会は男性と比べたら格段に低かった。家父長制度の下、女性は個を出すなんてもってのほか、夫のため、後継ぎのため、家のために生きていた。

戦後、家父長制度がなくなったとはいえ、結婚といえば家と家との結びつきという考えは最近まで残っていたのではないか。

ついこの間まで、女子学生がパワハラ、セクハラ(そんなハイカラな言葉さえ今のように一般的ではなかったが)を教員から受けたり、女子社員が結婚したら働きにくくなり、子供を産めば退職させられるような状況があって女性たちは何事も我慢させられていたのが実情だ。

実際に私自身当時女子学生が極端に少ない学部の学生だった時、

「女は男の3倍勉強しなければ、男と同等ではない」とか「結婚するなら研究を辞めて主人に養って貰え」などと教授達は平気で言っていた。

ある教授にゼミ申請をすると、

「女の学生はとらないので」と丁寧にお断りされた。

ゼミに属しても、飲み会になれば教授の隣でお酌を要求される。ただでさえ男子学生より発言の機会も減らされおり、此処で逆らうと研究が継続できないのではという恐怖から断れなかったのが実情。

今思えば酷いことを言われ続けていたんだなと呆れるし、今なら間違いなくパワハラ・セクハラで訴えることが出来るに違いない。

私のような未熟者でもこうだったのだから、もっともっと優秀な女性の諸先輩方は女だからということで、どれだけ辛い思いをさせられたかと思う。

かつての日本社会では、女性が男性の世界で生きていくためには女を捨てる覚悟で歯を食いしばって行くしかなかったと思う。女性が結婚も出産も諦めなければならない状態が続いた結果が、今の出生率低下の一因となっているのは周知の通りだ。

その中で日本の女性たちは自分を取り巻く環境と日々戦ってきたし、戦っていると思う。職場、家庭、社会に対して。工夫したり、折り合いをつけながら生きている。

しかしここの国の女性たちは戦う要因が日本女性にくらべて俄然少ないのだ。制度でも社会でも家庭の中でも女性が一番なら、戦う必要はまるでない。

その挙句、ロマンチックな言葉を言ってくれないパートナーに不満が募る。家に帰って疲れきってソファに寝そべってテレビを見ているパートナーが許せない。

結果、新しいパートナー探しを始める。いわゆる不倫だ。子供がいようがお構いなしだ。決まり文句は「私の人生だから」。クリスマスと夏休みのあとの離婚率(パートナー解消率)はグッと上がる。実際に現実をあちこちで見せつけられて本当にびっくりした。子どものために辛抱するとか頭の中にはないらしい。

関係を解消しても、隔週で面倒を見るから子供と関係が切れることはない。女性にとっての制度は整っているから、新しいパートナーとのベビーもすぐやって来る。

「これが女性の地位向上と男女平等の結果」なのかと最近特に考える。

日本の奥さん達は、旦那さん達がソファで寝っ転がって鼾をかいていても、

「おとうちゃんは全くしょうがないわー。ゴロゴロしてるだけや。」と文句言いながらも、布団を掛けたり世話を焼く。

朝起きてから夜寝るまでゆっくり座る暇もない、と高齢の私の母も電話をすれば愚痴を言う。忙しいのだ。家庭、家族を守ることに忙しい。旦那さんがソファで大鼾でもよそ見してる暇などない。

女性解放や男女平等が誰かのわがままを叶えるために利用されているのは正しくないと思う。以前女性の地位が低くて大変だったから、それを男性に仕返してやりたいというのは、ちょっと子供っぽく筋が違うのではと感じる。女性も男性もストレスなく、助け合って生きていける社会が一番なのではと思う。

どちらかに何か大きく負担がかかるのは不平等だけど、負担をお互いに分け合って過ごしていくのが私にとっての男女平等の考え方だ。

 

国際女性デーには 毎年ラジオでも特集番組があったり語られる事は多いけれど、昨日の国際男性デーは私自身ツイッターでその存在を初めて知った。そして一日中ラジオでも何も語られることはなかった。

 

人間として助け合って、争わず、お互いを尊重し合う社会が本当の男女平等における社会のゴールであってほしいと思う。


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1968 年版(上段)には、大きく「主婦の」が記されているが、1978 年版(下段左)は、少しフォントが小さくなり、1979 年版には「主婦の」の表記は消滅している。

 

注) Husmoderns =  主婦の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陶器のふるさとへ晩秋の小旅行 2019年11月6日

これからどんどん日が短くなって寒くなる。プラス雪が降って積もれば、すっかり凍りついた世界がやってくる。

冬への準備のタイヤ交換が終わって、今のうちにちょっと遠出しようと思い切って出掛けて来た。

何度か来たことはあるけど、もう一度改めて見てみようとRörstrand (ロールストランド)博物館に行って来た。


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1726 年にドイツから来た陶芸師 ヨーハン・ウォルフによってストックホルムの地でロールストランドの起源となる陶器の生産が始まった。ドイツのMeissen (マイセン)社に次いでヨーロッパで2番目に古い。当時は中国の陶磁器の影響を受け、白地にブルーの絵付けが主流だったらしい。


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1800 年代には食器の一式セットが一般的になり生産も伸び、英国の影響を受けたデザインとなっていった。そして1850 年代にはボーンチャイナの時代を迎え高級食器が製造されるようになる。

スウェーデンも含めてヨーロッパの陶器産業はこの時代に発展して拡大した。そして淘汰されながら合併して規模を大きくしていった。
1920 年代には安い陶器が輸入されるようになり、それらが売り上げを伸ばしたために、国内の陶器産業は危機感を感じ始めた。ロールストランドはストックホルムの工場を閉め、ヨーテボリ陶器会社と合併して西海岸のヨーテボリに移って来た。そしてその後ヨーテボリ陶器会社とリッドショーピン陶器会社も合併して今の博物館のあるLidköping (リッドショーピン)に落ち着いた。


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残念ながら現在はここで生産されていない。2006年ですっかり製造は終了し、人件費削減のためにインドネシアやタイに工場を移した。下のボウルは工場終了最終時に焼かれたもの。

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今はイッタラアウトレットに変わり、ロールストランドを始めアラビア、イッタラ、フィスカスの調理器具などを販売している


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博物館の中で1番気にいっているところは、全部のデザインを網羅することは大変なことなので、ちょっとだけいくつかのデザインのお皿を展示して見せるコーナー。


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自分の持っているものを発見したり、これからどれを集めようかなと物色するのも楽しい。
御手洗の男性用、女性用の表示が可愛い。

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こういう時代のテーブルセッティング。ちょっとおしゃれして特別感があるので好き。


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使われていた釜と、お皿の模様をプリントするためのスタンプ。

 

私自身ロールストランドの食器を使うのが大好きなので、使っている食器がどの時代から来たのか誰のデザインなのか知る事によってその時代に思いを馳せる。

 

食器を知れば料理も知りたい。

人から見れば奇妙な趣味だと思うが、とにかくより知りたいと思っている。まとまって勉強してみたいと思ったり。

 

秋の終わりに良い小旅行が出来た。またこれを刺激にして知的欲を満たして行こう。

 

全然観光案内にならない情報でごめんなさい。



楽しみながら環境運動

小さな女の子が黙々と一人でストライキを始め国連で環境について大人を叱り飛ばして、遂にはトランプ、プーチンまで巻き込んで世界的な大きなニュースをつくった。

意地悪な大人達は彼女の揚げ足をとったり、馬鹿にしたり、あら探しばかりしていた。

彼女の行動によって環境に関心を持った人や目を向けた人がいるならば、彼女の行動は無駄ではなかったのではないかと思う。

環境のために、とか二酸化炭素をなるべく排出しないために、と取り立てて特別考えているわけではないけれど、何を自分がしているのかちょっと考えてみようと思う。

1)ゴミの分別

ゴミ収集車が来るのは2週間に1度。一軒に出せる量は決まっていて指定のゴミコンテナが各家庭にありそれに入れておくと収集車が集めて行く。その他のゴミは各町毎にゴミステーションがあって、ガラス(色つき・透明)、メタル、古新聞、紙類、プラスチックのパックなど。それぞれに分かれている。週末は一週間のゴミをみんなまとめて捨てに行く場所。(普通の日でももちろん捨てられます)。

夫がある日、コンポストというものを買って来て庭の隅に設置した。じゃがいもの皮、野菜クズ、コーヒーのカス、卵の殻などをどんどん入れて、古い土とかもどんどん入れて、ミミズを発見したらコンポストの中に放り込んでたまに混ぜると、良い土が出来上がる。今年の春には花や木を植え付ける時、本当にこの土が重宝した。そして土を利用したあと秋になってまたその土をコンポストに入れておくと、来年に春には良い土が出来上がっている。我が家の生ゴミは殆ど捨てずに再利用している。

2)水

基本的なことだが流しっぱなしはしない。米の研ぎ汁、野菜を洗った水は捨てずに流しの横に置いたポットに入れて植木鉢の水やりに使う。洗濯物は種類に応じて分類し、ある程度の量がたまったらまとめて洗う。

外ではトユの下に大きな水瓶を置いて、庭にまく用の雨水を溜める。

3)買い物袋

エコバッグは必ず持ち歩く。忘れると本当にに損な気がして悲しい。大きな紙袋やプラスチックの袋も店のレジでは買える。でも紙袋は100円、ビニール袋は80円。結構高い。デンマークではエコバッグを忘れてレジで袋を買う人には少なからず冷たい視線が送られている様な気がする。ここスウェーデンでも以前はエコバッグが浸透していたはずなのに、最近は皆どんどんレジで袋を買っていく。ここがちょっとわからない。

エコバッグはそれぞれのスーパーがオリジナルを売り出していて、それを買い集めるのも楽しいし、いいお土産になるとも思う。

4) 近くのもの・旬のものを買う

特に野菜は飛行機や大型トラックではるばる運ばれたものではなくて、近所の地域で作られてるものを買う。小さな農家がじゃがいもや根菜、卵を売ってくれるので助かる。こちらの人は真冬でもレタス、トマト、きゅうりを食べたがる。しかしそれはオランダやスペインの大きなビニールハウスで作られたものだし、季節が異なるもので味もよくない。冬の間はそれらを買うのを控えて、根菜やキャベツにシフトする。トマトは缶詰、干しトマトがあるし、ケールや赤ビーツで充分ビタミンや栄養はとれると思っている。旬のものは安いし美味しい。きゅうりはせっせとピクルスを作る。そして冬に消費する。

あと夏の間は野菜やベリーは自分で植えて収穫する。運送料も手間も全くない。

とただだらだらと書き並べてみたが、これらの小さなことがどれくらい役に立っているのかはわからない。でも何も心がけないよりはましであろうと信じて、コンポストにゴミを捨てにいく。

 

グレタちゃんに叱られないためにも恥ずかしい大人にならないように。




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愛用してるエコバッグ。



 

お腹が空いたらパンケーキ

「小腹が空いた」という言葉を私達は使う。

ここにも同じような言葉がある。

"Jag är sugen ". (ヤー エル スーゲン)

夫がこの言葉を発し始めると、私は機嫌が悪くなる。だいたい食事が終わって片付けが終わった時に言い始めるのが許せないし、大概お菓子が欲しいのだ。せっかくカロリーを考えて、少しでも健康食と思っているのに、その努力をその甘いお菓子で帳消しにするのかと思うとますます腹が立つ。

 しかしこの国はよく食べる。体格の良い私が標準に見えるのだからこの国の人達は大きい。これもよく食べるからだろう。

Fika (フィーカ) という言葉は、日本にも輸出されてよく知られているところだ。簡単に言えばコーヒーブレーク。三度の食事の間に挟まれるいわゆる間食だ。そして夜寝る前にも食べる人はいる。学校でも、間の食事として午後に簡単にサンドイッチやヨーグルトがおやつの様に出される。

学校の時の先生が、夜寝る前に何か食べないと寝られないから食べることは必要、と言った時は、子供の頃からの常識がひっくり返った。夜寝る前は胃が悪くなるし太るから食べてはいけない、が常識だと思っていた。

夜はさておき、小腹が空いた午後や休みの日のブランチにぴったりなもののひとつはパンケーキだ。パンケーキは子供も大人も大好き。誰でもパンケーキを見ると ニコニコする。パンケーキで有名なのは、ねこのフィンドゥスだろう。フィンドゥスはペットゥソンさんの家の猫だ。ペットゥソンさんはフィンドゥスが家に来た時に、フィンドゥスに緑色のズボンを縫ってくれた。自分の子供のように可愛がっているのだ。フィンドゥスの誕生日は年に3度ある。その方が楽しいから。そのたびにペットゥソンさんはパンケーキの生クリームケーキを作ってフィンドゥスの誕生日を祝うのだ。


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有名な長靴下のピッピもパンケーキを焼いていた。アンニカもトミーも楽しく美味しく食べていただろう。

そのパンケーキ、決してアメリカンタイプのフカフカではない。どちらかといえばクレープに近い。軽いのでお腹にもたれず、甘くしてお菓子にもなるし、お惣菜と共におかずにもなる優れものだ。

我が家は週末の朝食によく食べる。普段は慌ただしく簡単なオープンサンドで済ませるので、週末は少しゆとりを持って、お皿やカップもお客さん用で改まった感じでパンケーキを食べる。

パンケーキの生地を作る時、1番大切なことは焼き始める数時間前に生地を作っておくことと、焼く30分前には生地を冷蔵庫から出して室温にしておくことである。冷たい生地をいきなり熱いフライパンに入れるのは良くない。

 

もし試したい、と思う方がいれば是非。レシピを載せておきます。

【材料】 

中力粉  2.5 dl 、卵3個、牛乳 6dl、 塩小さじ半分

日本の小麦粉は薄力粉でグルテンが足りないので、中力粉を使う方が良いです。強力粉と薄力粉半々でもいいと思います。

牛乳は低脂肪でなく脂肪分の高い方が綺麗に焼けます。                                                           

【作り方】 

卵をボールに割り入れてほぐす。粉をふるいながら少しずつ卵腋になじむ様に加え、牛乳も少しずつ加える。だまを作らず滑らかな生地になれば良い。これを数時間から一晩冷蔵庫で寝かせる。


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寝かせた生地を焼く半時間前に冷蔵庫から出し 室温に戻す。

油でなくバターを溶かしたフライパンにフライパンの大きさに合わせて、クレープを焼くように焼く。一回裏返してフワッとしているうちにお皿に盛り付ける。


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お好みのジャム、グラニュー糖をふりかけたり、はちみつをかけたり、お好みでどうぞ。

美味しく召し上がれますように!!


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我が家はプレッタ(パンケーキの小振り版)を焼くことが多いので、写真はプレッタです。

 

もっともっとの先にあるもの

外国人観光客が増えたり、オリンピックがあるからかもしれないが、日本製をうたう商品が以前よりもかなり多くなったと思う。

Made in JAPAN は本当にひとつのブランドだと実感する。例えば、ウイスキー。ここでも5,6年前まで日本製のウイスキー、サントリーの山崎がびっくりするような値段であっても酒屋に並んでいたり、タックスフリーの店ではサントリーの白洲、ニッカの余市など買うことが出来たのだ。

当時、日本のウイスキーをお土産で父からもらって飲んだ夫は、スコッチウイスキーよりもずっと美味しいと感激し、私達は京都の山崎にウイスキー工場を見学に行った。夫はそれはそれは感動して、帰国後ことあるごとに、日本のウイスキーが如何に美味しいのかを友達やら兄弟、親戚に力説しながら得意になっていた。しかしちょっとブームより一足先早かったために、周りの反応は今ひとつで可哀想だったが、本人は心ゆくまで夜な夜なグラスを傾けながら山崎ウイスキーを楽しんでいたのでそれはそれでよかったのだ。

そしてほどなくしてあれよあれよと言う間に、日本のウイスキーブームがやって来た。何かの雑誌でのランク付けではスコッチウイスキーが何年も守っていた1位の座を日本のウイスキーにあけ渡した。結局今は品切れ状態でヨーロッパ全体で手に入りにくい状態となっている。

去年の暮れ、フランクフルト空港で「明石」という関西ローカルなウイスキーが売られているのを見つけて驚いた。こんなところにまで。。とばったり知人に会った様な気持ちになった。


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包丁も、テレビに人気のある有名コック達は、ほぼ全員と言っていい。日本のグローバル包丁を使っている。面白いくらい料理番組を見ると普及しているのがわかる。たまに違う包丁を持っているひともいるが、それも京セラのセラミック包丁だ。

日本のものづくりは世界中で定評がある。それは丁寧だからだ。海外で暮らすとよくわかる。心遣いなんて誰でも出来るだろうと思っていたら大間違い。びっくりすることも多い。心遣いは日本の財産だし、それがものづくりの細かいところに生きているんだと思う。

Made in JAPAN はウイスキーにしても、包丁にしても、日本酒などもちょっと高級なものを市場に送り出している様に思う。最近では、ル・クルーゼやストウブに十分対抗している鍋もあったり。それも工場で丁寧に製造されているのをテレビで見た。そして本当にお値段は高い。しかし手間暇かけて丁寧に作ったものはそれなりの価格になって当たり前だろう。私達は高いものを買う時はよく考えて決心して買う。しかし逆にただひたすら安いものの方がよく考えて買わなければいけないのではないか。その商品をつくるために労働した人がきちんと見合った給料を手にしているのか、良い労働環境で働いているのか等。

これは数年前にプチプライスを売りにしている服飾店の商品が、実は開発途上国の過酷な労働の下で格安な価格で売られている事が明らかになり、不買運動があったりちょっとした騒動になったことがあった。現在は給料は上げていると主張しているが本当のところはよくわからない。はっきりしたことは安い安いと喜んで消費している商品の背景には闇が存在したということだ。

経済は拡大していかねばならないのに、消費拡大に水をさすあなたはバカじゃありませんか?と言われるかもしれない。

でも労働している人の正しい労働環境や賃金が守られて、それが価格に反映されることは当然のことだ。

いつの頃から次から次へと新商品が出るたびに、買わなきゃいけないとストレスの多い世の中に変わってしまったのだろうか。誰かが一生懸命時間と手間をかけて作ったものを少々高い値段で買ったとしても、それを手入れしたり修理しながら大切に使うことをもう一度思い出していきたいと思う。そしてそれは経済の拡大にならないという人がいれば、新しいものが売れることによって経済は拡大するかもしれないけれど、その拡大した経済の恩恵を私達が直接実感できているのかと逆に問いたい。結局トップだけは利益を実感し満足してるのかも知れないが、庶民は経済の拡大という呪文の様な言葉で踊らされて、ストレスと生きにくい世の中で暮らしていると思う。拡大をちょっとお休みして生活の範囲が少し狭くなったとしても、過剰な生産による環境破壊や過酷な労働環境から解放されて、気に入ったものを大切にしながら気持ちに余裕を持ったしあわせな暮らしが出来るのではないのかなぁと思う。

Made in JAPAN の商品がその価値を正しく世界で評価されて、どんどん売れることで日本経済が少しでも良くなって欲しいと狭い台所から今日も包丁を使いながら思いを馳せている。

 


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グローバルも好きだけど、京セラは刃が薄く細かい作業がしやすいので愛用している。

 

台所から海外旅行に出掛けよう

ワクワク、ドキドキしながら初めてストックホルムのアーランダ空港に到着し空港内の建物に入った時、シナモンとコーヒーの香りに包まれた。思わず深呼吸した。なんて優しい美味しい暖かい香りなんだろうと思った。

早朝だったので、これから何処かビジネスに行くだろう人やちょっとパリまで(パリなのかロンドンなのかどこか全然わからないけど)という感じのスッと長身の男性も女性もかっこいい人たちが、カフェテリアでコーヒーを飲んでいた。

そして街に出て広場に出ている青空市場からはディルの香りが漂って来た。野菜を売っている屋台の横のバケツに無造作にディルがワサワサと花屋さんの切り花の様に置かれていた。その時はちょうど夏の終わりで、真っ青な空、ちょっとピリッと空気の冷たい感じの朝だった。その時から私にとってのスウェーデンの香りは、シナモン、コーヒー、ディルになった。

いろいろな国を訪れると、その国その国に独特の香りがある。そしてその香りはその国の食べ物の香りだ。(私が食いしん坊だから特にそうなのかも知れない。おしゃれな人だと香水とかの香りになるのかも)

その香りのもとは香辛料で、その香辛料は魔術師だ。スーパーに行って香辛料売り場に行けばびっくりするほどの種類の香辛料が並んでいる。その景色は圧巻だ。

スーパーに行き始めの頃、香辛料天国の気分であれもこれもと喜んで買い集めた。カレーは実家でも作っていたからターメリック、ガラムマサラなどは知っていたけど、そんなどころではなく、たくさんの中から結構いろいろ試そうと思ったのだが、どれをどう使えばいいのやら。

日本にも香りのものはたくさんある。香辛料とは少し異なるかも知れないが、わさび、山椒、柚胡椒、洋がらし、七味唐辛子など。それぞれの香りのものに合った料理が存在する。たけのこの煮付けの上にのった山椒の葉っぱとか、焼き鳥に山椒の粉も風味がいい。よく煮しまったおでんの大根やたこに洋がらしも良く合う。アツアツのキツネうどんに七味唐辛子を振れば身体も心も暖まり具合いが倍増すること間違いなしだ。

私が香辛料をひたすら喜んで買い集めていた時欠けていたのは、この土地の料理についての知識だった。ここで暮らし始めた当初 、夫が一冊の料理本を買ってくれた。それは料理の基本が書かれている基礎的な本。赤と白のギンガムチェックの表紙が私のツボだったが、いかんせん言葉がわからない。料理本だから辞書片手に何となく推測出来る気がするもののおぼつかない。

ハンバーグぐらいなら実家で作ったことはあったし、まあ大丈夫かと作って夫に出したらどうも腑に落ちない様子だ。

「変わってるね」

全然嬉しくない言葉だ。私としては、美味しいと言われるだろうと思っていたのにがっかりした思い出がある。

なぜ変わっているのか今ならよくわかる。香辛料の間違いだ。和食に出汁、酒、醤油、みりんが欠かせない様に北欧の料理における香辛料は、オールスパイス、ディル、タイム、月桂樹の葉、良質の塩、白、黒胡椒。製菓にはシナモン、カルダモン、バニラ。クリスマス感を出したい時は、思いっきりシナモン、カルダモンをきかせて、それに加え丁字。これらで何とか凌げる。これが基本だ。

例えば、先のハンバーグ。オールスパイスをきかせれば合格点が貰えたはずだ。イケアでおなじみのミートボール、普段も食べるが代表的クリスマス料理の一つでもある。クリスマスバージョンでシナモンと丁字をきかせたものを振るまったらゲストに大喜びされた。

焼かれる前のミートボール達。
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当たり前のことだが、香辛料もただ買い集めてもなかなか上手く使いこなせない。その国の料理をよく知ることが大切なんだと身を持って感じた。

上手く使えば 、簡単にいろいろな国に行かなくても台所から海外旅行出来る気分になれるツールだ。胡麻油の香りをきかせてコチュジャンとニンニクで韓国料理、醤油、味噌、出汁で和食、クミンやカイエンペッパーで南米風など。

香辛料は小さいパッケージなのに本当に奥が深くいろいろ遊ばせてくれて楽しいものだ。さあ、今日はどこの国に行こうかな。


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これが最初に買ってもらった料理本。         

表紙の可愛らしさとは裏腹にことばがわからず悪戦苦闘した思い出。

 

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ちゃんと香辛料についても書かれている。


重いのだけど柔らかいもの

南部鉄鍋ですき焼き風煮込みを、母が作っていた思い出がある。黒い重い鉄の鍋の中で、白菜、玉ねぎなどの野菜とともに牛肉が糸こんにゃくと共に甘辛く煮込まれて、しょうゆと砂糖や酒のふわっとしたいい香りは今も鮮明に思い出すことが出来る。

その鉄鍋の形は、昔の絵本か童謡の本の挿し絵に出てきそうな、囲炉裏にぶら下げられているあの鍋の形をしていた。木の蓋の下でぐつぐつと煮えている様は秋から冬にかけて見るだけでも暖かくなった。

これが鉄鍋と私の最初の思い出である。

その南部鉄鍋を母は大切に手入れして、使った後は熱いお湯とささらで洗って、水気がすっかりなくなるまで乾かしてから、薄く油をひいてしまっていた。いまでも母はその南部鉄鍋を使っている。

結婚してフライパンが必要になった時に、夫が昔から愛用している鉄のフライパンがあった。コンロも作りが違うし、鉄のフライパンを焦がさず上手く使えるのか不安だったので ある日テフロン加工のフライパンを買って来た。テフロン加工のフライパンはピンクに白の水玉模様の可愛いものだった。喜んで夫に見せると喜ぶかと思いきや、フッと鼻で笑われた。

「鉄のフライパンが一番なのに。」

でもテフロン加工のフライパンは軽いし、目玉焼きもオムレツもさらっと作れて満足していた。

しかししばらくしたら、テフロン加工が少しづつ剥げてきて、底が熱で波うったようになって電気コンロにぴったりと乗らなくなって来た。そうなると熱伝導も綺麗にいかずオムレツもうまくいかなくなった。

仕方がないから鉄のフライパンを思い切って使ってみることにした。母が鉄は熱々にすれば焦げつきにくいと言っていた事を思い出した。そのようにして目玉焼きを焼いた。慣れてしまえば玉子焼きもパンケーキもうまくじんわり通って美味しく焼けるようになった。手入れも洗剤は使わず、熱湯とブラシですすぐだけだ。というわけで鉄鍋とフライパンにますます魅かれていった。

鉄工業はスウェーデンに古くからある産業で鉄製のものをつくるのが得意だ。探せばいろいろと鉄の会社が存在する。その中でもスモーランド地方のSkeppshult(フェップッスフルト)とHusqvarna(ヒュースクヴォーナ)が有名である。

1. 鉄フライパン  Skeppshult 25㎝


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夫が長い長い間所有しているフライパン。

私の初Skeppshult。 結婚してからたくさんのパンケーキ、目玉焼き、オムレツ、ベーコン、肉などを焼いてきた。

夫は初めての彼女とツーリングした時に、Skeppshult の工場によってこのフライパンをアウトレットで購入。リュックに詰めて大切に持って帰って来たらしい。夫の武勇伝とともに、使い込まれていい味が出ていると思う。夫の色々な思い出とともにずっと使い続けたい。

 

2. プレットパンナ  26㎝  Husqvarna 


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直径8cmくらいの小さな薄いパンケーキが1度に7枚焼けるフライパン。プレッタはパンケーキと同じ生地であるけど、見た目が可愛いちょっとおしゃれな形にして特別感を出したものらしい。そして特別感をより出したい場合はレシピの牛乳を生クリームに替えてコクを出す。子供が特に喜ぶが、大人も大好きだ。


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3. パンケーキパン あるいはクレープパン      24㎝  Husqvarna 


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薄いパンケーキはスウェーデンの国民食の一つだと思う。木曜日は豆スープの日でパンケーキにリンゴンベリーのジャムを添えたものを食べる。子供はおやつによくイチゴやブルーベリーのジャムと一緒に食べる。何枚も焼いたパンケーキの間に生クリームを挟んで上にいちご等を飾ってデコレーションケーキの様にしたり。キノコのホワイトソース和えをパンケーキにぐるぐる巻いて、皿に何本も敷き詰めた上にチーズをかけてオーブンで焼けばご馳走だ。パンケーキは甘いお菓子にもおかずにもなる万能選手。

 

4. 魚およびヒレ肉専用フライパン Skeppshult 縦21,横33㎝


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魚もヒレ肉を切らずにまるまま焼ける専用フライパン。このままテーブルに出してもアツアツだし、見た目も面白い。

魚やヒレ肉だけでなく、グラタンを焼くのに使ってもいい。

 

5. グラタン皿  Runneby Ron AB 19 ㎝四方


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これは1枚しか我が家にないのでどうやって使おうか非常に悩んだ結果、ちょっと前に流行ったダッチベイビーを作るのに丁度良い。


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見えずらいけど、左がこのグラタン皿を使ったダッチベイビー。

6. ムンクパンナ  Skeppshult 22 ㎝


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これは上のプレットパンナによく似てるけど、プレットパンナは平べったいがこれは少し高さがある、立体的な形状。

ムンクはスウェーデン語でドーナツのこと。でもこれで作るのはパンケーキの生地でコンロで焼く。油で揚げず中にジャムやヌテラを入れて作る。

でもこれを使った伝統的レシピがデンマークにある。リンゴケーキ。そのリンゴのケーキを作る時 デンマークではこの鉄パンを使う。

私はこれを店で発見した時、まだこっちで暮らし始めたところだった。とても喜んで即決で買って来た。何故北欧にたこ焼き鍋があるのかと不思議だったが、タコはなかなか手に入らないのでイカを買って来て、たこ焼きらしきものを作り、懐かしい気持ちで食べたことを思い出す。

これは決してたこ焼き鍋ではない。でも関西人にはそう見える、そんな鉄パン。

 

鉄鍋、鉄パンは重くて手入れもむつかしいと思われがちだけど、IH にも対応して、キャンプに連れて行っても壊れる心配もなく、一生ものだ。サビたとしても手入れは出来る。調理しながら鉄分もとれるし、熱伝導が安定しているので本当に料理が柔らかい味に仕上がってとても良い。

もっと普及して欲しいと密かに思っている。


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これがスモーランド地方にあるSkeppshult の工場。アウトレットも併設している。セカンドラインがお得に買えます。