Mitt lilla kök

北の果て,極少の台所から

古い日本映画を観る

久しぶりに映画『東京物語』を観た。

初めて観たのは母と一緒に、まだ高校生くらいではなかったか。それから大人になってから観て、と何回か観ている映画だ。

無駄のない、今の時代から見れば簡素な映画だ。若い頃は「どうして杉村春子はあんなに意地悪なおばさんなんだ?」と憤慨していたが、歳をとってみると、「ああいう人いる。どうしてああいうことを言うのか。国民性ではない。万国共通ああいう人はいる」。人が亡くなった後、がめつい人はがめつく取りたいものをさっさと取っていくものだと改めて確認したり。

などすっかり見方も変わって来た。

戦後から間もない時代、尾道から東京というのは非常に時間がかかって、列車の座席も今の様に広く快適ではなく長旅は大変だっただろうにと思う。そして老夫婦はまだ70歳になっていないのに、風貌は今の80歳超えた人よりも年取って見えることに改めて驚いた。

平均寿命がどんどん伸びて、人は10歳若くなると聞いたことがある。30歳で成人、とどこかで聞いて本当だと思ったり。私の歳で母はもっと大人でしっかりしてたと、こんな子ども地味ていなかった。

モノクロで哀愁のある映画だ。

小津監督は欧州でも人気が高いが、古き日本はきっと礼儀正しい国に見えるだろう。

まとまりのない、ただ思ったことを書いてみた。

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