Mitt lilla kök

北の果て,極少の台所から

とうとう冬がやって来た

すっかり太陽がなくなった。ひたすら灰色の空が低くたれさがって、ただ底冷えだけがしんしんと感じられる。いつの間にか冬になっている。

太陽が照らないのは辛い。普段ならこの時期タイやスペインなど日光を求めて人は旅に出る。暗い中ではやっていけないからだ。季節性鬱も多くなる。私も気をつけなければいけないので、少し体を動かしたり、ビタミンをたくさん摂ることを心がけている。

今年はこれに加えてコロナが大きく影響している。暗い時期の楽しみは、人と会っておしゃべりするのが一番だ。蝋燭を灯して美味しいものを食べ、美味しいお酒を飲んでのんびりする。しかし今年はこれが出来ない。

いろんな人がいる。以前と変わらず距離も取らずに人に会ったり、会食したり。。。私が夫以外の人と一緒にお茶を飲んだのは、今年1月の帰省後、たった1回だ。それも遠く距離をとってお茶を飲んだ。人と接するのは一番危険なんて 非常に悲しい病気だ。伝染病だから仕方ない。

何か楽しみを見つけないとやってられない。ほぼ10ヶ月、隔離の様な私の生活の楽しみは料理だった。料理好きは以前からだが、特に今は時間だけはあるから、栄養バランスも出来る限り注意しながら、いろいろな新しい料理も試したり、オーソドックスなものを復習してどうすればもっと美味しくできるか考えたり。

積読になっていた分の料理本もじっくり読んで、新しい発見もある。

博物館、美術館もお休みで外出する場所も、ぐっと制限されてきた。大好きなセカンドハンドも教会や赤十字のボランティアの方で支えられており、その様な方は皆年金受給の高齢者だ。感染を防ぐためおやすみされると、店は休業となる。

人混みには行きたくない、となれば結局空いた時間を狙ってのスーパー通いが唯一の娯楽だ。これは食事に直結し料理の材料選びにも力が入る。

特に夏はトマトときゅうり、ズッキーニやナスをよく食べた。夏の間は旬だから値段もぐっと下がる。イタリア料理を筆頭に地中海料理のお世話になった。

秋は根菜とキャベツ類。これは寒いスカンディナビア地方のお得意分野。豚肉と組み合わせてシチューやオーブン料理の出番。


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さて来月はクリスマス。今月の末に第一アドベントがあり、そこからクリスマスが始まる。クリスマス料理は前菜、主菜、デザートの多種類をビュッフェ形式で食べる、いわゆるスモルゴス・ボードと呼ばれるものだ。

最初越してきた当時は、クリスマス・イヴ、クリスマス当日でそれらの料理を食べ尽くすのは大変なことだと思っていた。

しかし考え方を変えて、12月はクリスマス月間とすれば、毎日それらの何かのメニューを晩ご飯に食べていいのじゃないかと思い、24日にこだわらず、第一アドベント以降は普通に食べている。その方が楽しい。

どのお皿を使おうか、テーブルセッティングはどうしようか、考えることは多い。

天気が悪い、外が暗い、文句を言っても仕方ないから、それらを忘れるくらい色々楽しみを考えよう。12月20日を過ぎたら冬至が来て、日はどんどん伸びて行く。

人に「私は復活祭を待っている」というと笑われるが、復活祭の頃は花が咲き始め、日はみるみる伸びて、日照時間が長くなる。空は青く高くなる。

その日が来るのを今年も待つ。それに加え、コロナの収束が来るのもひたすら待つ。

たくさん料理のレパートリーを増やしたいという決意を持って。



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