Mitt lilla kök

北の果て,極少の台所から

理由は大切

「喉が痛い風邪の時は、焼いた白ネギを布に巻いて首に巻けば良い」

「そして、ネギをたくさん刻んだ熱いお味噌汁を飲みなさい」

 

子どもの頃、風邪を引くと祖母からのこの教えを守っていた。

調べてみると、ネギを首に巻いてもネギの風邪に有効な成分が体内に吸収されることはないらしい。

しかし首は血管の重要な通り道だし、そこを温めれば身体中が温かくなるのは理屈が通っている。そして身体が温まることは風邪の回復にも一役買うに違いない。


ネギのたくさん入ったお味噌汁も医学的な薬にはならないが、やはり身体が温まるのとネギの成分が身体に効くのは間違いない。


風習の様なものでも必ず理由があるのだと、最近思うようになった。


地域によるものだろうが、夜に爪を切ると親の死に目に会えないとか、何なんだこれはと思っていたが、暗いところで爪を切ると、間違えて深爪したり、皮膚を傷つけたり。それによって化膿したり破傷風になって命を落としやすいという昔の人の考えらしいと聞いた。それによって若くして亡くなれば当然親の死に目に会えないはずだ。


風習だけではない。好みについても言えるのかも知れない。

デンマーク人、スウェーデン人はビールが大好きだ。最初あまりピンと来なかった。寒い冬でもビールを飲む。まあ、日本でも暖かい部屋で冷たいビールを好む人がいるからわかるといえばわかる気がするが、夏も冬も冷蔵庫でキンキンに冷えたビールというのは一般的ではない気がする。涼しいところに保管してるビールを飲む。

これは昔昔、水道が発達していない時代の大人の飲料水だったという。フランスでもワインが水がわりというけど、やはり水道の設備が悪く生水が飲めないことから来ているらしい。

子どもはそのビールを作る過程で出来たアルコールがほとんど入ってないところを飲んでいたらしいのだ。


生活していて何気なく過ごしていて

普通にしていることでも、振り返ればいろいろな理由があって今も残っていることがたくさんある。


郷に入っては郷に従え、という言葉がある。やはりこれも、そこの地にある生活習慣や食事など、理由があってそこに存在してるものだから、郷に入る時は尊重して認めるべきなのだ。全然違う自分の習慣ごとを持ち込んで そこにあるものを否定して暮らすのはやはりよくないのではないか。まず自分がしんどくなると思う。理由を知って受け入れれば楽に暮らせるのではとおもう。


理由を知ることは面白い。f:id:kaalrabbi:20200918161720j:plain