なかなかやって来ない夏 2019 ➀
ハイクがなくなる、と悲しんだり落ち込んだりバタバタしているうちに
3月は終わり4月がやってきた。
4月末の復活祭休暇にはまるで夏が来たのかと思うほどの、
お昼間は日差しの強い暑いくらいの天気だった。
復活祭の日程は毎年変わるのだが、大体3月末から4月初めが多い。
その時にはパンジーや水仙の苗が花屋さんには並んで、その休暇の間に花壇を少し賑やかにするというのが普通なのに。
今年は苗は全く花屋さんに並ばず、4月に入っても全然暖かくならない。
4月の初めにデンマークでトマトの苗やゼラニウム、ストックロ―ズの苗を買ってきたのに、その後雪が降ったり霜がいつまでも降り続けたり、苗は全然外に出せずリビングで人間と肩寄せあいながら共に生活をする始末だった。
可哀そうなトマトはなかなか外に出られないのにどんどん背丈は伸び続けて、竹の棒で支え窮屈に家の中での暮らしを強いられていた。
4月半ばにやっと花屋さんにパンジーが並ぶようになり、
「霜が降りても大丈夫だから外に植えていいよ」と言われて、もう寒くならないようにと祈りながらゼラニウムの苗とちょっと寄せ植えを作って外に置いた。
いつもだったらこの時期には花を置くスペースにはいろいろな苗を植えつけて、これから来る5月に向けてどんどん株も大きくなってにぎやかしい感じなのに今年はポツンとした感じで淋しかった。
他の苗はやはり踏ん切りがつかず、リビングでの共同生活は続く。
ストックロ-ズに至っては買ってきた鉢が小さくなり、家の中なのに大きめの鉢に植え替える始末。
外ではリンゴのつぼみも、桜のつぼみも徐々に膨らんでいて、寒くならないように祈るばかり。
この時期は日がどんどん長くなってくるから毎年ウキウキする季節なのに、
日は長くなってきているけど気温がいつまでも低くて植木の世話もできず思うように外で働けない、と今年は全然うれしくなかった。
しかし自然は正直で季節が来るとどんどん活動を始め、クロッカスやムスカリは土の中から顔を出し、暖かいかなと思ったちょっとした隙に花を咲かせて、また来た霜ゲリラにやられていたり。。。
リンゴが特に心配だった。
そういう時にやってきた復活祭休暇の夏のような暑さ。
花も木の芽も待っていましたとばかりにどんどん育って急に新緑となり花も咲いて、やっと春が来たのかなとホッとした。
花屋さんも待ってましたとばかりに苗を売り始め、あちこちの家のお庭もきれいな花で華やかになって、やっとウキウキが始まった気がしていた。
このまま5月は爽やかに暖かい日が続いてほしいと思っていた。
ところが復活祭休暇が明けたと思うと、どんどん寒い日が続く。
霜は降りるし、暖房までつける始末。来月の夏至祭は雪が降るんじゃないかと皆心配するくらい。先にも書いたが、日が伸びるのに寒いというのは本当に気持ちが落ちる。する仕事は溜まっているのに全然外で動けないのは本当につらい。
本来の5月は新緑が美しく晴れてカラッと清々しくペンキ塗りをするなら5月、と言われるくらいだ。
去年の5月は雨も数日しかなく晴れわたって爽やかで何回も外でバ-ベキュ-を楽しんだ。花の苗もうまく根付いてどんどん花が咲き始め、にぎやかな感じで楽しかったのに。それに比べて今年の庭はパンジーの苗が小さな株のままひっそりと淋しくあって、空き家のようだった。
その5月にも霜が降りて、せっかく咲きそろったリンゴの花がフリ-ズドライになったのではないかと心配だった。 つづく